UMUI(ウムイ)とは、沖縄の方言で「想い」を意味する言葉です。
本連載「私のUMUI”想い”を届けたい」では、沖縄で観光業を手掛けるベンチャー、株式会社UMUIに入社したメンバーをご紹介。それぞれが大切にしているUMUIをお届けしていきます。
| インタビュイー:宮城葉月(Miyagi Haduki) 沖縄県西原町生まれ。沖縄国際大学2009年卒。小学校入学と同時に始めた空手道を通して沖縄の文化に興味を持ち、大学では博物館学芸員資格を取得。1社目に派遣社員として入社した会社で広告に興味を持ちグラフィックデザインを学ぶ。2社目でパッケージデザインや販促物の制作を通して、県内メーカーの可能性を広げる仕事に興味を持ち、土産業界の革新にチャレンジするUMUIに入社。 |
沖縄で生まれ育ち、印刷会社のデザイナーへ
ー自己紹介をお願いいたします。
株式会社UMUIで、Web・店舗に関わる販促物のデザインを担当しています。沖縄県で生まれ育ち、地元愛は誰にも負けません!プライベートでは、琉球ゴールデンキングスのファンで、つい最近もアルバルク東京(B.LEAGUE所属のプロバスケットボールチーム)の試合観戦をしてきました。
ーUMUIに入社するまでの経歴を教えてください。
1社目は、県内の新聞社でイベント運営補助の仕事をしていました。マラソン大会、住宅展示会、ビーチクリーンなど、地元の活性化や社会貢献につながるイベントに関わるなかで、「広告って、人や地域を動かす力があるんだ」と気が付いたんです。その後、広告やデザインの仕事への興味が増して、1社目の契約期間満了後にグラフィックデザインを学ぶことにしました。
グラフィックデザインの基礎を学んだ後、県内の印刷会社に転職。未経験からの挑戦となりましたが、デザイナーとして経験を積ませていただきました。
ーデザイナーにキャリアチェンジをして、どのような経験をしましたか?
2社目では、官公庁や企業向けの企画提案、市町村イベントの運営、ポータルサイトの立ち上げ、コンテンツ制作など、紙・Webの両面から広告・デザインが形になるプロセスにたくさん関わることができました。
入社2年目には、パッケージやディスプレイといった立体物の案件も任されるようになり、アイデアを図面から実物へ落とし込むことの難しさも肌で感じましたね。この会社には以後10年ほど在籍し、企画からデザイン、制作、運営まで、一連の流れに関わることができました。
ーデザイナーにキャリアチェンジした際、驚いたことや大変だったことは何ですか?
デザインの仕事についたばかりの頃は、仕事における試行錯誤の回数が一気に増えたと感じました。デザインは、イベント運営のようにゴールが決まっているわけではなく、お客さんが求めるものを言語化し、具体的に形にする仕事です。
相手の「こうしたい」をどのように汲み取って具現化するか。正解のない道を進む難しさに戸惑う時期もありました。
それでも、自分がかたちにしたモノを見て「これです」「意図を読み取ってくれてありがとう」と言っていただいた瞬間は本当に嬉しくて、もっとできるようになりたいという気持ちが大きくなりましたね。そうした経験があったからこそ、未経験分野でも前向きに挑戦し続けられたのだと思います。
ー未経験分野でうまくいかなかったとき、どのように乗り越えようとしましたか?
当時は、とにかく数多くインプットすることを意識していました。日々、InstagramやPinterestを見て「かわいいデザインってなんだ?」などと情報収集。自分の中で“かわいいとは何か”を言語化できるようになるまで、ひたすらインプットを重ねました。この頃、蓄積したものは、今の自分のデザイン判断の土台になっていると思います。
ライフステージの変化と共に模索した次のキャリア
ー長年、働いてきた職場を変えようと思ったのはなぜですか?
プライベートに関しては、結婚や妊活で生活スタイルが変わったり、不妊治療と仕事の両立に悩んだりする時期がありました。
仕事に関しては、「もっとお客様が求めるデザインを実現したい」という思いが強くなり、違う場所で力を付けたいと思うようになったんです。ライフイベントの変化や自分自身の価値観が変わるにつれ、自然と「次のステップ」に進みたいと思うようになりました。
ただ、すぐに転職を決断したわけではありません。「社内でできることがあるなら、最後までやってみよう」と考え、未経験の人事評価制度の整備、従業員エンゲージメントの強化などにも挑戦しました。自分ができることはやりきってから、次のキャリアに進もうと考えていましたね。
ー「お客様が求めるデザインを実現する」とは、具体的にどういうことか教えてください。
前職では、日々たくさんメーカー様からご要望を受けて、パッケージデザインや販促物の企画・提案と工場での製造を行っていました。商品には、各メーカー様の思いや届けたいメッセージが込められています。それを受け止め、商品デザインに反映させるために、もっとこだわり抜きたいと思うようになったんです。
でも、そうは言ってもビジネスなので、工場の仕様や営業の方針など、考慮すべきことがたくさんあります。デザイナーとして提案の幅が狭まるジレンマを乗り越えるために、一度場所を変えてもいいかもしれない。もっと自由度の高い環境でクリエイティブに向き合いたいと思って、最終的に転職を決意しました。
ー理想と現実のあいだで上手くいかないことがあった際、どうやって乗り越えるタイプですか?
何か壁にぶち当たったら、まずは「こんなことをしたらどうなる?」と、自分なりにいろいろ試行錯誤するタイプです。人や環境など、変えられないものがあるのはどうしようもないけれど、そういうときこそ 「まくとぅそーけー なんくるないさ」 の気持ちで動くようにしています。
「まくとぅそーけー なんくるないさ」とは、正しいことをしていれば、何とかなるさという沖縄の言葉です。業務にとことん向き合うと、色々な事態を想定することができると思います。事前に想定しているからこそ何が起きても「なんくるすん!(なんとかする!)」と受け止めることができる気がします。なんくるすんから、なんくるないさと思えます。
それでもどうにもならないことも起きますが、「どうする?これ以上頑張れる?ここで諦めたら後悔しない?」と自問自答して「これ以上頑張れない!」って思うところまでやってみるんです。できなかったことも、「失敗してしまった」じゃなくて「自分の判断で諦めた」と割り切れるので、次にまたチャレンジすることや後悔も少ない性格だと思います。
自分なりに試してみて、投げやりに「もういいや」ってなるのは悔しいじゃないですか。だから、「これ以上頑張れない!」って思うところまでやってみるんです。
「失敗を恐れない」でやってみる。「失敗したらごめんね」って笑い飛ばしながらも、ウチナーンチュのなんくるないさ精神で進んで乗り越えるようにしています。
UMUIとの出会い

ーUMUIとの出会いと、第一印象を教えてください。
デザイナーとして、もう一段階ステップアップをするために転職活動をしていた際、沖縄エリアの求人メディアでUMUIを見つけました。
求人情報を通して「社長は固くて真面目そうなビジネスマンなのかな」とイメージしていましたが、出てきたのはTシャツ姿のラフな雰囲気の方。そのギャップを感じつつも、面接はリラックスして臨めました。
ー社長と面接で何を話しましたか?
社長は非常にカジュアルで話しやすい方でしたが、実際に話を聞いてみるとけっこう苦労人なんですよね。ご自身が幼少期を過ごした沖縄に感謝を伝えたい、沖縄をもっと良くしたいという想いに共感して、一緒に挑戦してみようと思いました。
また、UMUIは、「人材に対して期待し、投資している」会社だと思いました。私は、次の職場を決める上で、会社や経営層が社員に期待しているかどうかを重視していたんですよね。ただの歯車ではなく、人を人として見てくれるか、期待して任せてくれるかどうかを判断軸としていました。
面接を通して、社長の言動から人材に対する期待が感じ取れたため、ここなら働き甲斐を持って働けそうと感じたのが入社の決め手です。
ー宮城さんは、UMUIの社員としては2番目ですよね。数百名規模の大企業から小規模ベンチャー企業へ入社する際、不安はありませんでしたか?
たしかに、UMUIの社員としては2番目の入社でしたが、特に問題はありませんでした。むしろ、保守的な環境を抜けて、まったく異なる環境でデザイン以外の仕事に挑戦できるのはめちゃくちゃ楽しそう!と思いましたね。
仕事の幅をもっと広げたいと思っていましたし、生成AIやcanvaのような便利なツールが増えてきた今、デザインだけでは食べていけないと危機感もあったんです。だから、デザインプラスαのスキル・経験を習得できるベンチャーの環境は、今の自分にあっていると思いました。
保守的なマインドを捨ててベンチャー企業の2人目社員へ店舗デザインを1から任されている今、思うこと
ー入社後、土産店舗の販促物や社内資料、イベント出展ブースのデザインなど幅広い仕事を任されていますね。今のお仕事内容を具体的に教えてください。
9月半ばに入社した直後は、求人広告のWebバナー作成や、事業者向けの会社案内チラシなどから仕事がスタートしました。その後、メーカー様向けの企画書や社内資料の作成など、ジャンルレスに仕事を任せていただいて、さらに12月に出展するイベント準備も担当しています。
今回出展する「アスティーダエグゼクティブサロン2025」では、UMUIが運営する「MIYAGEYA」のポップアップストアを出すため、ブースの企画・空間デザイン、ショッパーや土産の選定などを急ピッチで進めているところです。
加えて、12月1日OPEN予定の店舗準備も大詰めの時期で、タスクは山積みですが、どんどん増えていく新しい仲間と楽しく働いています!
ーたくさんの仕事を任されている今、何を感じていますか?
今週は、店舗開店に向けて店舗デザインと、販促物やショッパーのデザインなどを行っています。前職では、ある程度決まったパターンの中からヒアリング後いったん持ち帰り、「あの要望はこういうことかな?」と探りながらデザインを複数案を作り方向性のすり合わせをしていました。
「ABCの中でどの方向性が合ってますか」という感じでしたが、UMUIでは社長とその場でのディスカッションのなかでアイディアを深めたり、広げたりする質問力が求められています。
ディスカッションの場合、一度持ち帰って吟味する時間がないですよね。その場で切り返し、提案してスピーディーに決めていくスキルがまだ足りないため、どんどん磨いていきたいところです!
UMUIは、ベンチャー企業ならではのスピード感で物事が進んでいきます。もっと質の高い切り返しをして、社長や周囲の皆さんのアイデアや考えを引き出せるようになりたいです。正直、すぐに習得できるスキルではないし、難しいですが、「これが自分のやりたかったこと(挑戦)なんだな」と実感しています。
ーその他、今までの仕事とギャップを感じていることはありますか?
今までは、会議にせよどんな場面でも「それってこういうことですか」と質問すること自体がタブー視されていた気がします。そのため、疑問点や質問をぶつけたりすることが悪いことだと、潜在的に「保守的なマインド」で仕事をしていたのだと気付きました。
たまたま私が、出る杭は打たれる文化というか、保守的な環境に身を置くことが多かったせいかもしれませんし、これは「どちらがいい・悪い」という話ではありません。
今はUMUIにいる以上、自分の中の潜在的にあった“怖さ”や“保守的なマインド”をどんどん取り払って、「疑問を持ったら臆せず聞く」ようにしていきたいです。
人柄採用で集まった沖縄を愛する仲間たち

ーUMUIで一緒に働くメンバーについて教えてください。
創業メンバーは、ずばり「人柄採用」をしています。10月、11月にかけてどんどん社員が増えてきましたが、皆さん共通して探求心があると思います。仕事終わりや休日に土産屋さんをめぐって研究したり、気になるニュースがあればSlackでシェアしてくれたりと、向上心をもって取り組んでいる印象です。
ー何名か、メンバーの紹介をお願いできますか?
例えば、今営業まわりや店舗企画を任されている島袋さんは、沖縄の地元ニュースを積極的にシェアしてくれたり、みんなが働きやすく気遣いしてくれる。やわらかい雰囲気で空気を和ませる方ですね。
刑部(おさかべ)さんは、沖縄離島の観光協会を立ち上げた経験がある方で、県外出身者だけど沖縄に気持ちを寄せてくれるのが嬉しいです。自分の考えがあり、芯のあるかっこいい女性だと思います。
これから入社する方は、沖縄の文化や歴史、その土地に住む人たちなどをひっくるめて好きという人だと嬉しいですね。UMUIが運営するMIYAGEYAでは、メーカー様が強い想いを込めて生まれた商品を多く扱います。その想いを受け止め、お客様に提案するのがMIYAGEYAの役割なので、沖縄に貢献したいという想いは自身の成長にも繋がる大きな要素だと思います。
ー入社後、SNS運用にチャレンジしていると伺っています。この活動の狙いやメリットについて教えてください。
県外から沖縄に進出するものの、本社は県外におく会社もあります。一方で、私たちUMUIは、沖縄に本社をおいている地域に根差した会社のため、私たちの地域貢献に対する気持ちを発信していきたいですね。
個人的には、デザイナー目線で県内商品をアピールしていきたいです。SNSを通して、たくさんの方にUMUIを知っていただくための接点づくりに、どんどん取り組んでいきたいと思います!
ーUMUIにこれから応募される方に伝えたいことは何ですか?
UMUIは、仕事を通して自分の可能性にチャレンジしたい方にとって最適の場所だと思います。社長は社員の意見にもきちんと耳を傾けてくれるし、何よりも自分で考えて行動することを推奨しています。
今は店舗のオープン準備で本当に多忙で、どうやったら沖縄の商品たちの魅力を伝えられるか、試行錯誤の毎日です。商品の魅力をデザインの力で引き出して、地元沖縄の魅力を精一杯伝えていきたいです。
また、ゆくゆくはMIYAGEYA店舗で導入されているAIカメラの購入者データを活用して、数字を根拠にした説得力のある提案ができるようになりたいです。「この商品はセットで販売したらいいのでは」など、様々な切り口を提案し、デザインにプラスαのエッセンスを加えていきたいですね。
挑戦したいことだらけですが、私なりに沖縄の魅力を皆さまにお届けして、社会貢献につながればいいなと思います。
取材・編集:横内さつき
取材協力:宮城葉月
